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Let's Enjoy チャリンコライフ! TEAM B.C.porter/重力技研 SJのブログ


by speedstar_sj
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理屈をこねて、サムヒルのように走ってる自分を妄想してみよう

こないだの世界戦のサムヒル走りは色んなライダーのブログで反響ありますね。
確かに変だもん。サムヒル(笑)
つーことで、サムヒルの走りを研究してみました。


研究といっても、正直世界戦の決勝映像何度みてもよくわかりません(笑)


っていってもしゃーないので、分からないなりに気づいたこと。







それは、体の軸がまったくぶれないということ。
あれだけの斜度、落差、ギャップにおいて、上半身が驚くほど安定してます。
多少バイクが暴れても体はぶれず、股下でコントロール。
コーナリング中も、それほどニーグリップしてるようには見えず・・・
つまり、下半身はフリーにしてバイクをいなしながら上半身ですべてを支えてる、ってなところでしょうか?(表現がわかりづらいなぁ・・・


幅広ハンドルバーもその乗り方にあわせた幅なんでしょう。
足で無理やりバイクを押さえつけるという感じじゃないんだよなぁ・・・
路面の変化に合わせて上手くいなしながら走ってるように見えます。


そんな訳で思いついたのが、加重よりも抜重の方が大事なのではないか?ということ。
グリップで曲がるのは荷重をかけて滑らせないようにすればいいけど、滑らせて曲がる(カッティー)為にはうまく抜重してあげなきゃいけないのよね。
一般的なアスファルト(車とかバイク)の考え方だと、抜重ってあまり考慮しないけど、オフロードの場合そっちのほうが大事なんじゃね?って思った。



つーことで久々に小難しく考えてみました。ここからちょっと物理の話なので面倒な人は読み飛ばしてください。

摩擦ってのはF=μNって式で表される。
Fは摩擦力。Fが大きいほうがグリップするってこと。μ(みゅー)は摩擦係数。Nは荷重。

単純に物理式に当てはめると、Fを大きくする(グリップ力を上げる)ためには、μかNを大きくすればいい。
μを大きくするには、単純にハイグリップタイヤを履いてあげるのが一番。路面状況はコントロールできないので、ここで調整できるのはタイヤのグリップ力。
Nは荷重なので、人間の体重移動やブレーキでの慣性力でコントロールする。

わかりやすい例が、机の上に消しゴムを置いて、指で横から押してみること。
ただ置いてあるだけだと簡単に滑る。けど、もう一方の手で消しゴムを上から押してあげると動かなくなる。
消しゴムと机のμは一定なのに、荷重Nをかけるとグリップすることが証明できる。

机に水をたらすと、μが小さくなるので、同じ荷重をかけても滑りやすくなる。

消しゴムもカチカチの消しゴムと、柔らかい消しゴムでは滑りやすさが違う。
一般的には柔らかいほうが滑りにくい。(=ゴムの摩擦係数が高い)
厳密には、荷重をかけるとゴムが変形して接地面積が変わるとか、色々あるんだけど面倒なので割愛。

さて、コレでDHタイヤのゴムが柔らかい理由がわかりましたでしょうか?
常識といえば常識。多少物理を知ってる人なら当たり前の話だと思います。。



さて本題。

上の理屈のとおり、荷重をかければ掛けるほど摩擦力が大きくなって滑らなくなるです。
初心者と上級者の大きな違いはこの荷重のかけ方。
上級者は瞬間的に荷重をかけてタイヤのグリップを上げて曲がる。
初心者は荷重を上手く掛けれないので、同じスピードで進入すると滑ってしまう。

じゃあ荷重はかければいいのか?

オンロードのようなフラットでμ変化が少ないところでは、荷重をかけれるだけかけたほうがよい。
オフロードでも基本的には同じなんだけど、オンロードと違って路面変化が大きく、タイヤと路面の接地面圧変化が激しい。(要は凸凹してる)
しかも、根っこや岩のように、斜めに荷重がかかってしまうケースも多く、荷重をかけすぎると逆に抜けてしまうこともしばしば。


例えば、濡れた斜めの根っこ。
根っこの上で荷重をかけると確実にタイヤが横に滑ってしまいます。←誰もが経験あるのでは??
逆に荷重を抜いて、μの変化を最小限に抑えるって事がよかったりします。飛んで越えるってのもありだけど・・・


では、さらに難易度が高い、根っこだらけのキャンバーはどうするか?ずっと飛ぶのはありえないですよね(笑)
上の理屈でいえば、変にバイクを押し付けるとかえって力が逃げて滑ってしまう。
それならば、逆に荷重をかけずに走るってのがいいんじゃないの?って思う。
最初に書いたサムヒル走りはまさにその完成形なんだろうな。


そんな訳で、DHは加重よりも抜重の方が奥が深いと思ってる今日この頃。
ドライの時はタイヤのグリップでなんとかごまかせても、雨のときなんかの低μ路ではタイヤグリップではごまかせないのよね。
そんな時こそ抜重テクニックが問われるんではなかろうか?



言うは易し行うは難し。

サムヒルになるには、テクニックはもちろん、あの強靭な上半身パワーが必要になるってことで、オイラのようなへっぽこが真似しても・・・
頭でわかっててもできないもんはできないんですが、何も考えないよりは早くできるようになるかなくらいの気持ちです。

当たり前のことでもこうやって文章にすると整理できるね。自分で書きながら自分が理解する。。
オイラは感覚で走れないライダーなもんで、先ず屁理屈をこねないと上達できないのです。つまり上達に時間がかかる。
屁理屈は知らなくても、感覚的に行ける人が羨ましい。そういう度胸も欲しいです。



あぁ~久々に色々考えてしまった。小難しいこと書いてすんまそん。
他にも色々ウンチクはあるのですが、疲れたのでまた今度。
ウンチクシリーズでもやってみるかな?


<補足>
↑の物理話は、あくまで一般論(簡単なモデル)。走行中のタイヤの摩擦力ってのは、静摩擦とか動摩擦とかが瞬間的に変化する非常に複雑な状態になってます。
しかもDHタイヤの場合、地面との接触は面だけでなく、ブロックが引っかかるというのもあるので、実際はそんな単純ではないんですよねぇ。
そこまで考え出すとオイラの頭では確実にオーバーヒートしますんで、今回は簡単な理屈のみで考えました。
このへん詳しい人いたら今度オイラに教えてくださいまし。。
by speedstar_sj | 2008-06-26 18:22 | 屁理屈王子